大理石についた真っ白な汚れをなんとかしたい！石材クリーニングの方法とは!？

2023年2月17日 2023年7月28日

spacleanjapan

浴槽はもちろんのこと、壁や床と温浴施設のあらゆるところで使用されている石材。ビルメンテナンス業界でも、「石材のメンテナンスは難しい」とされています。とりわけ温浴施設の石のトラブルは、汚れの種類が多いため、更にそのハードルは上がります。今回は温浴施設清掃のプロが、石材の汚れに関して解説します！

1. 何故石材のメンテナンスが難しいのか
1.1. 「石は呼吸をする！？」石は吸水しやすい
1.2. 重大なトラブルにつながる落とし穴がたくさん！豊富な種類
2. 温浴施設でみられる石の汚れってどんな汚れ？
2.1. 硬い汚れと柔らかい汚れ
3. クリーニングするにはどうすればいいの？
3.1. 酸性の洗剤には要注意！
3.2. クリーニングには研磨がオススメ
4. 困ったら専門業者に相談を

何故石材のメンテナンスが難しいのか

「石は呼吸をする！？」石は吸水しやすい

石も呼吸をしている…生きている～！

石材には、「細孔」と呼ばれる無数の小さな隙間があります。「小さな隙間」といっても、その形状は様々で、大きさや形状、位置によって名称があり、この違いが素材の吸水率や高度、熱伝導などを大きく左右する重要なファクターになります。

細孔には、内部に密閉された状態である閉孔と外部に開いた状態である開孔があります。開孔から水分や湿気が侵入したり蒸発したりするので、「石は呼吸をする」と言われています。開孔は、石材内部の湿気を放散させる働きがありますが、同時に石材裏面の湿気を表面に伝達させる働きもあるため、外部の石床でよくみられる色ムラの原因になります。対して閉孔は、石材の密度に関係します。ここに湿気や水分を滞留させてしまうと、カビやコケなどを発生させる要因になります。閉孔に入ってしまった汚れは、洗浄や拭き掃除などの表面のクリーニングでは除去できなくなってしまいます。

重大なトラブルにつながる落とし穴がたくさん！豊富な種類

石材には、大理石や花崗岩等の「天然石材」と、テラゾーと呼ばれる石材にさまざまな特殊加工を施した「人造石材」に大別されます。また、陶磁器やプラスチック地に石模様を印刷し石に似せた「石材類似素材」もあります。

その素材によって誤った施工をしてしまうと、傷がついたり変色したり大きなトラブルにつながります。そのため、目視や触感だけでなく、打音、刃物を使って傷つくかどうか試験、薬品による反応の調査をしたりして、石種分析をしたのちクリーニングをする必要があります。

温浴施設でみられる石の汚れってどんな汚れ？

硬い汚れと柔らかい汚れ

なんでこんなに汚れが落ちないの？

温浴施設で見られる汚れは、ヌメリや皮脂などの「柔らかい汚れ」とエフロ・スケールなどの「硬い汚れ」に大別されます。「柔らかい汚れ」であるヌメリの原因はバクテリアです。流し切れていないシャンプーや石鹼カス、皮脂を栄養分にバクテリアが繁殖してしまい、ヌメリにつながります。一方「硬い汚れ」は、エフロレッセンス（通称：エフロ）やスケールと呼ばれる白い汚れです。白華現象、白い垂れジミともいわれます。

石材におけるエフロの発生原因はいろいろな要因が考えられますが、代表的な要因としては、石材の裏面や目地部分から細孔を通じて、セメントやモルタルに含まれている炭酸カルシウムや硫酸塩を含んだ水分が表層まで移動し、水分が蒸発して塩類の結晶が石材表面に残ることがあります。

　温浴施設では、これらの汚れが複合的に絡み合い、一般的な汚れよりもはるかに強固な汚れになることが多いです。

クリーニングするにはどうすればいいの？

酸性の洗剤には要注意！

いわば石材は金属の塊のようなものなので、素材自体が酸性・アルカリ性に反応するため、石材のメンテナンスには基本的に中性洗剤を使用するべきです。しかし、現実問題、中性洗剤による汚れ落としには限界があります。エフロやスケールはアルカリ性の汚れであるため、酸性の洗剤を使いたいところですが、洗剤の選定を間違えると石材そのものが痛んでしまいます。痛まないように弱酸性のものを使ったとしても、そもそも強固なスケールにはビクともしない。。。というのが、石材クリーニングの「あるある」であり、見極めが必要な難しい問題です。